NO51.得手不得手 その10

得手不得手 決断は自分 その10

それぞれの施設によって、目指す目標レベルが違います。少なくとも退行させないよう現状維持を主目的とするのか、ちょっとよくなればOKなのか、将来は特別支援校を目指すのか、普通学級を目指すのか目標が違えば、指導方針は同じでもその頻度も、その達成度合いも異なります。

現それぞれの施設ごとに、理念も目的も達成レベルも違うのは理解頂いた事と思います。そして各施設では、その目的に併せた、スタッフの配置が行われているという事もご承知おき下さい。

多くの施設では指導者や、スタッフの資格も均一ではありません。現行では管理責任者は一定の資格の保有と経験年数が加味されますが、指導員に関してはそのキャリアも資格も千差万別です。

何を目的とした施設であるか、何を提供されようとしている施設であるのかによって、スタッフの構成も事なるという事をご理解下さい。身体に重篤な課題がある場合は、看護士の方が対応され、痰を取り除く等のような、医療的な支援を施す事も少なくありません。

指導員の保有する資格も、保育資格をもっているのか、幼稚園教諭や、小学校教諭等の資格なのか、言語聴覚士や作業療法士等の資格をもっているのかでも、その施設の療育分野が異なって参ります。つまり力を入れておられるポイントがそれぞれ異なるという事です。

指導員として何ら経験もなく、何も資格をもっておられない方でも、実際に現場にでておられる事も少なくありません。その場合、指導員の経験と資質によって、支援出来る内容も自ずと左右さてれしまうという事もご理解頂きたいと思います。指導員の人間力(指導力・指導スキル)によって結果は大違いとなります。

先生を信じる事は良い事ですが、完全にお任せしてしまって、家庭での支援を放棄するのは絶対にやめて下さい。先生にアドバイスをもらって、「自分達が直すのだ。」という気持ちがなければお子様の成長を呼び起こす事はできません。

誰もあてにしてはならないのです。保護者自信が守ってやる、導いてやる、進歩させるぞというくらいの強い気持ちが大切です。施設にお任せして、おんぶに抱っこでは伸びる物も伸びません。復習は必ず必要です。ご家庭での毎日の取り組みで、保護者の力で直すくらいの勢いが本当に必要です。

地域によって、施設が慢性的に不足していたり、希望するタイプの療育施設が無かったりすると思いますが、そこで嘆かないで、遠方でも通うのか、最大限出来る支援を上手に利用し、余裕をもってしっかりとご家庭で取り組むような考えを堅持して下さい。月に1度しかこれなくても、家庭でも取組みや、それを支援する仕組みがあれば、進歩を獲得する事は可能なのです。飛行機に乗ってでもお出でになりたいという方もおられますが、通例は無理なお話です。近隣の施設で最大限お願いして、あとの療育は自分自身で取り組むべきなのです。

伝聞にたよらず、成功事例を確認し、成功事例にならった正しい取組みを行ってください。自分の目でみて正しい判断を行い、進歩を獲得して下さい。

私共のセンターはレスパイトや見守り型の指導はしておりませんが、連日個別療育等で、降園時間にお迎えに伺い、療育支援後、自宅に送迎しておりますので、結果的に夕方の4~5時間自由なお時間を確保出来るようになった方も少なくないと思います。

お子様の成長だけでなく、日々落ち着いた生活が過ごせるようにもなって喜んでおられるケースも多々ございます。子どもの将来が見えて、家庭が明るくなった。家庭が賑やかになったというお話しも沢山お伺いしています。

お母さんがご自身を責めて、心が病んでしまった方もお子様が進歩していく様子を見て気持ちが軽くなり、家庭円満になったり、お父さんが子どもを無視するようになっていたのが、正面から向き合えるようになって家族で毎日課題に取り組めるようになった等の報告もあります。

離婚寸前だったのが、また夫婦で歩めるようになった。生活時間に余裕ができたので、ゆっくりと子どもと接する事が出来るようになったなど、お子様が成長すれば、家庭も良い方向へ好転していきます。

環境が変われば、お子様の成長も変化するのです。例えばこんな事例があります。「お父さん、お母さん」と呼ばれたいのに、「パパ、ママ」とご両親の事を呼んでいる子ども達の中で過ごす様になれば、いつの間にか、その子も「パパ、ママ」と呼ぶようになってしまいます。

最近ではめずらしいのですが「父ちゃん、母ちゃん」と言っていいる地方に住めば、いつのまにか「父ちゃん、母ちゃん」と呼ぶようになります。「お父さん、お母さん」と呼ばせたいのであれば、「お父さん、お母さん」と呼んでいるグループに入れなければ身に付きません。

広島に転勤で3年行って帰ってきたお友達が「僕から」気を抜くとつい「ワシが」というのも同じです。私学にかようようになり、「さようなら」が「ごきげんよう」になるようなものです。繰り返す環境も大切なのです。周りに同化してしまうのです。同化が本当にポイントなのです。

元気のよいお友達に中にいれば、元気をもらいます。英語でしか話さないお友達の中にはいれば、英語を獲得するようになります。健常な子ども達と一緒であれば、健常な子ども達とおなじような態度行動がとれるようになります。奇声をあげているお友達のグループにはいれば、収まっていた奇声がまたぶり返してしまいます。ここにヒントがあるのです。

幼稚園や保育園の入園許可が頂けたらならその園に就園させて頂くべきなのです。同化するのです。お子様には少しでもよい方へ同化できるチャンスを与えるべきなのです。目指す人物像があるのであれば、目指す者の傍にいるべきです。その集団に入れるべきです。お子様をどの社会で生きて行かせるのかよく考えて選択して下さい。

ダウン症のお友達も健常な子ども達と一緒に就園する方が言語獲得の状態を別にしても圧倒的にその後の社会適合能力は異なるのです。所属する組織でお子様の様子は激変するのです。双子の兄弟がわけあって別々の学校に進学した場合、家庭では一緒であってもそれぞれ独自の成長を遂げるという事例も幾つも見て参りました。

今本当に、何を目指されていらしゃいますか?

下駄を預けず、目をそむけず、今集中すれば、お子様の明るい将来を獲得する事が可能なのです。

お子様が毎日通う療育施設程大切な選択はありません。どうぞしっかり納得して通われて下さい。

閉鎖的な状況を打破して下さい。

同じ問題を抱える人と一緒になって安心するのは元気になったら卒業して下さい。

お子様を守るのは親の責任です。保護者の責任です。

お子様の将来を見据えた、取捨選択を実行して下さい。

しっかりと自己責任で取り組んで下さい。

適時状況に併せて、お子様に必要な機会を与えられるようご準備下さい。

効果がみられない物にいつまでも頼るのは止めましょう。

成長に併せてお子様と共にご両親もスキルアップして下さい。

成長に併せて、その都度、面倒がらず必要な支援を選択して下さい。

どうしてよいかわからない場合は093-475-0449までご連絡下さい。