NO80.進歩続々でも低減と忘却が
進歩続々でも低減と忘却が
子ども達の進歩と成長は、その後も続々と続いております。
生活年齢を精神年齢が超えそう!?
福岡地区から通われている年長のお友達 つまずかれた課題まで指導学齢を下げて、私ども(三葉スケール)の3歳のB1からスタートしましたが、現在5歳D4まで進まれており、今月内には、6歳Eレベルに到達しそうで、指示も通り、課題にも3時間近く個別療育に取り組む事が出来るようになられました。もう安心ですとお母様と胸をなでおろした所です。😀
同じく年長のお友達で。体も小さく、呼気も浅く、声も小さく、何事においても自信なさげにされていましたが、みるみる元気な発語も出来るようになり、しっかりと課題に長時間取り組む事が出来るようにもなりました。発達遅滞とご診断されておられましたが、処理スピードも上がり、テキパキとした行動も見受けられるようになり、他の年長に負けぬ力を発揮出来るように成長しております
知能検査の基本は、「量或る物は測られる」という理念に起因します。上記のお友達は、着座等の問題も既に解決しており、指導の度に筆圧も強くなり、素早く取組み事も出来るようになってきており、聞き漏らし、思い込みもままありますが、作業も早く丁寧になりましたので、あとはどこまで小学校就学前までに力を養う事が出来るか、私共だけでなくご家庭での取組みにも左右されると思われます。
現在両名とも療育センターでの検査前ですが、私共の私見では、今後十分普通学級への進学が臨める体制が出来上がったように思われ、私共も目を見張る成長ぶりに驚いております。🤩
「もう問題が見受けられなくなりました…」
低年齢のお友達の保護者の方から「もう問題が見受けられなくなりました。」等のお言葉も頂くまでに成長されたお友達が数名おられます。能力低減(下方へ別記)の問題を危惧し、その事もお話さしあげた上で、ご様子を見せて頂いておりましたが、「もう十分では」と何度ご相談頂いた方がおられましたので、もっと通所されたいお友達がおられる事等をも鑑み、本日の管理者会議で保護者のご要望にそって経過観察を実施させて頂くように進めさせて頂く事が決定致しました。(基本的には心配なのですが…うまくいけば良いのですが…)
本当に怖~い能力低減
能力低減とは、獲得した能力が時間と共に減退する事をさします。
通例の指導では、
①「教え」
②「理解」
③「習得」
④「活用」
⑤「定着」という状態に移行します。
わかったから 出来るわけではないのです。
「出来るようになったという事」と「いつでも出来るという事」は、違うのです。
いつでも出来るという状態を「定着」と私達は読んでおります。
完全に定着する前に支援をやめると、力が減退してりまうのです。これが能力低減の恐怖なのです。
定着するまでには、それぞれが持つ力により定着するまでの期間が違うのです。
ギフト(※1)を持っていると1回習っただけで定着する事も可能で、俗に天才と言われる子ども達の事をさします。
得意な事でも通例は最低でも3回から5回程度の経験が必要です。
苦手な事であれば、普通でも8回から12回とその差も広がります。
知覚野に問題があると、更にその指導回数は必要となり30回から人により100回以上の取組みが必要であるとご理解下さい。保護者目線で判断すると大失敗される可能性があるのです。
つまり、一時的に習得できても、その能力を維持する事が大きな問題なのです。
ポーランドの音楽家で、首相まで務めた今は亡きイグナス・パデレフスキーの言葉で
「一日練習を怠ると自分には分かる。二日怠ると批評家に分かる。三日怠ると聴衆に分かってしまう。」
If I miss one day’s practice, I notice it.
If I miss two days, the critics notice it.
If I miss three days, the audience notices it.プロでも毎日練習するのです、2歳から6歳までは、脳内もまだまd成長段階で、お子様の大脳はその機能も、成長も不完全な状態なのです。本当に大丈夫と確信して頂けるのは、半年から1年を経過した後であるとご理解下さい。
繰り返し定着出来る様に支援し続ける事が大切なのです。
2か月後、半年後今の能力を堅持し更に伸ばし続ける事が必達事項であるとご理解下さい。
また、私達の持っている恐ろしい能力で忘却率という物があります。
これは、ドイツのブレスラウ大学のヘルマン エビングハウスという心理学者が発見した時間の経過とともに
忘れてしまう比率を研究したものです。
通例では、せっかく覚えた内容も、
20分後には58%しか記憶できず。
1時間後には、44%に減退し
1日後には、26%となり
1週間後には、23%まで下がり、
1ヶ月後には、覚えておれるのは僅か21%であったという研究結果です。
この研究自体、無意味な音節を記憶しその記憶率(再生率)を調べた物であります。
何らかの発達障がいの特性を有していた場合は、上記以上に低い記憶率となってしまう可能性があるという事をご理解下さい。
よく「焦らない」と申し上げるのですが、現代社会はいち早く結果を求める風潮が強いのですが、同じようにお考えになると大失敗されてしまいます。焦らず慌てず手堅く手堅く進めて下さい。
療育支援が必要であったお友達は、時間的にも、期間的にも忘れないように繰り返し、繰り返し何度も何度も指導する必要性があるという事で、安易に安心してしまうと、せっかく獲得した能力を全て失ってしまうという事にもなりかねません。
健常な成人で1ヶ月後の記憶量は20%なのです。子どもでしかも何らかの問題がある場合記憶のギフトを持たぬ限り果てしなくその定着率は低くなるとお考え下さい。
今回はたってのご希望でもあったので、3歳であっても「経過観察」を実施しようと決まりましたが、ご家庭でも能力低減を起こさないようにしっかりと毎日支援し続ける事が大変重要な課題である事は言うまでもありません。
悲しいかな私共も、昨年より療育支援を開始して、沢山のお友達の成長を獲得して参りましたが、転勤や、通園等の諸事情により通所が困難になられたり、通所回数が激減され、僅か1~2カ月で獲得された能力が大幅に低減したという事例が数例ございます。
焦らないで下さい。慌てないで下さい。急がないで下さい。
更に、怖い事実があります。
一度喪失した能力の回復には、最初の数倍の時間を要する事になってしまいがちです。
ほぼ該当者の9割が3倍から10倍の指導時間を要します。
同じでも2倍でもないのです。
だから定着が大切なのです。
私達大人でも、最初に習う事は少々大変でも努力出来るのですが、一度習得した内容を忘れてしまって、最初からやり直すのは、「苦しい・嫌な」作業になってしまいます。ですので、安易に安心せず、能力が低減しないように、しっかりと繰り返しご家庭でも指導し続ける事が大切である事をご承知おき下さい。
大人の目線は禁物です。
あなたの常識(一般解釈)は通じません。
狭い見識で判断するのは止めて下さい。
どうぞ専門家の意見に従って下さい。
※1 ギフトとは
何らかの発達障がいの特性を有していても、記憶力や、計算力等が非常に高い力を有しているという事を「神様の贈り物」と考え、ギフトと呼ばれています。国内でも有数の国立大学(一期校)の名誉教授であった方の中にも、このギフトを持たれていた方がおられました。氏は、小学校低学年では現在の特別支援クラスである養護教室に通級されていたのですが、担当の先生が「一度読んだ内容は忘れない」という氏の特性を見出され、結果的に国内最高学府の名誉教授にまでなられた方が実際におられます。
ギフトにも様々な特性があり、一度聞いたら二度と忘れない事例や、音読すると忘れない事例、超人的な集中力を持たれている場合等もあり、研究等に特化した力を発揮されるケースも沢山あります。私の教え子もNASAに就職しましたが、1万余名いる職員の80%は発達障がいの特性があり、みなそれぞれギフトを有しているとの事でした。ものすごいスピードで読書できたり、計算できたりなどその特性は様々です。お子様とご一緒に神様が与えてくれたギフトを見つけて頂ける事を祈っております。
無料療育相談は、子育て広場として、コンパス発達支援センター本部にて実施しております。ご希望の方は上記バナーからコンパス発達支援センターのホームページに進んで頂き、メールにてお申込み下さい。