NO101.手先を器用に その2 教具と箸つかい

手先を器用に その2 教具と箸つかい

手先を使った遊びを幾つか紹介しましょう。

モンテ系の教材3点で、ご父兄が作って寄贈頂いた物です。

下は、ホックやボタンをとめる練習用の教材です。上手になると片方の手に腕時計のように巻いて、片手でとめるように練習します。フエルトでつくられています。写真は周りにミシンを入れておられますが、苦手な方は、フエルトをはさみで切るだけでも十分使えます。簡単に作れるので是非試してみて下さい。

次はリボン結びの練習です。太目のリボンで、楽しく遊びながら結ぶという事を覚えていきます。紐ではなく、両端が固定されているので、初めてでもお手本を見ながら練習すると比較的簡単にリボン結びや、かた結びの練習が出来ます。実際に紐だけでリボン結びをするのは難度が高くなります。まず出来るレベルまで持ってくること、達成しやすいような工夫をする事で目標を達成する事ができます。

型はめのボタン版です。軸は、まち針を板に差し込んだものです。ちょっとした教材は非常に高額で、使用する期間も限られますので、ちょっと一手間かけて、ご自宅にある物で楽しい巧緻性教材を作成する事ができるのです。

高額な教材は必要ありません。まず無駄になります。
買う必要はありません。無駄な投資になってしまいます。今までに直接3000名以上の子ども達の指導をして参りましたので、毎年数十万から100万を超える教材を買ってしまった方々とお会いする事となります。無理して購入されたり、何とかなればと買われるのですが、それで良くなるのであれば、何処の療育施設でも使ているとご理解下さい。買った事で満足している方しかお会いした事がございません。箪笥の肥やし状態です。

私達の支援で進歩と成長を獲得しているお友達の誰一人として高額教材等を使ってはおりません。手作りと工夫で十分です。

レベルを合わせる
身近な作業から巧緻性は身に付きます。私達が普通に使うお箸でも、準備の整っていないお友達に使わせても上手にはできません。欧米から来た成人の外国人(はじめて箸を使う人)に箸を渡しても、にぎり箸で刺す事くらいしか出来ません。子ども達はまだまだ脳神経の構築も完全に整っていない段階ですから、いきなり箸を使うのは困難で、しつけ箸等から順に始めると、次第に使えるようになるのです。

ご注意頂きたいのは、いきなりレベルの高すぎる事をさせて、「出来ない」と断定してしまい、本来出来るであろう能力を、伸ばす事が可能であった能力の芽をつぶす事です。

やりやすいように、自尊心を傷つけないように、楽しく取り組めるよう配慮してみて下さい。

教室では、しつけ箸等から指導しますが、最初につかむのは、おやつです。子どものアレルギーの問題さえなければ、「カール」程度の大きなお菓子つかみから始めます。

勿論つかめて、自分の器に運べたら食べられます。

そして「かっぱ海老せん」 そして「さっぽふぉポテト」 そして「麦チョコやポン菓子」

最終型が「煎り大豆」 「小豆」でゴールです。小豆の段階になると食べるのではなく、1分間に幾つとれたか競うレベルです。

それまでは一緒に掴んで、まず食べる、できるレベルからスタートする事で箸つかみをマスターできます。

明日はその3に続きます。