NO121.清潔感と衛生観念 身だしなみ その1

毎日入浴し、清潔な衣服を着用させる事は、衛生観念を養う上で第1要件となります。頭髪も、基本的には、場合は短髪とした方が手入れも楽で、家事や仕事に追われ忙しい日々を過ごされている場合、手間を少しでも省く上では大切な要因であると考えます。

女児の場合、長髪がお好きでも、長い髪を適時洗髪し、乾かし、ブラッシングし、きちんと整えたり、編み込みをしたり、三つ編み等する時間的な余裕がないのであれば、ショートにする方が望ましいと考えます。暴れてしまっての結果ならまだしも、長髪でいつも、頭がボサボサはとてもかわいそうです。

手入れが出来る余裕を持つことも大切ですが、出来る範囲を考えて取り組む事も大切です。今日出来ても、明日出来ていなければ意味がありません。毎日きちんとさせる事が大切であるとご理解下さい。

適切なお世話が出来る事が大前提なのです。平時、常に髪の毛が、みだれているお友達は、服装にも清潔感がなく、何日も着替えなくても平気になってしまう傾向があります。

暑い時期、汗をかいて、毎日着替える必要性があっても、保護者が、着替えさせなかったり、着替えを用意しなかったりすると、子どもの衛生感覚が徐々に変容し壊れてしまいます。汚れている事に慣れてしまいます。気持ち悪さにも慣れ、やがて臭いにも鈍感になってしまいます。

 

綺麗な下着を身につけているか?
同じ靴下を履かせていないか?
適時洗った靴を履かせているか?
シャツや、ズボン、スカートが汚れていないか?
汚れていたら、すみやかに着替えさせているか?
これらの要件が、その後の成長に大きな影響を与えます。

鼻水を垂らしたり、よだれを垂らした時の対応が、その子の感覚を変えてしまいます。鼻水を垂らしても、放置されていると、垂らしている事に平気になって、拭うことすらしなくなります。感覚の麻痺です。

大昔いた青バナ少年は、兄弟が多かったり、保護者の仕事が忙しくて、十分な世話が出来なかった結果の状態であったと思われます。しかし周囲の連携が現在社会と異なり、世話をやく近隣の大人が多く、子供も大勢で、子ども会等もあり、縦割りの関係も樹立しやくす、そのため正しいモデリングをする事も容易で、社会規範を獲得しやすいといった、周辺環境のおかげで、正しい習慣を身につけることが出来ました。周りも口出ししますので、親も気を使い改善するチャンスが沢山あったと考えられますが、現在の社会はこれと全く違います。

マンションや、アパート等お隣がどんな家族構成で、どんなお仕事をされているのか知らないのが現状です。挨拶はしますが、口うるさい大人は希少な存在になっています。

孤立化が拍車をかけており、他人に無関心でいなければならないような素地が当たり前となってしまい、他人の間違った子育ても、指摘する事が無くなっており基本見て見ぬふりが現実となっております。

社会が子どもを育てる環境が無くなってしまっていますので、より保護者の責任が増大してており、保護者の資質により、子ども達の衛生感覚等に大きな落差が生まれています。

大昔でも、特に専業主婦だったり、子どもが少ない家庭は、目が届きやすく、家族と子どものために時間が十分に使え、大昔でも青バナは、垂れていませんでしいた。

世の中には、忙しくても仕事と子育てを両立されている方達も沢山いらっしゃいます。どんなに忙しくても、きちんと子育てされている方もおられますが、仕事や、介護等、何等かの事情により、保護者のキャパを越えた時、子どもに手がかけられなくなり、乱れが出てしまいます。乱れがでたら見て見ぬふりをせず、もう一度奮起してやり直す気概が大切です。

誰しも、どうしようもない事がありますので、失敗する事、手抜きをしなければならないときもありますが、それを常態化させない事が大切です。リセットしてやり直す気持ちが大切なのです。

疲れて出来ない時もあると思います。食べこぼしを、きちんと拭いてあげない等が重なると、徐々に汚れたままでも平気な人になってしまうのです。汚くても平気になるのです。何ともなくなるのです。汚れた服で過ごす事が苦痛にならなくなります。慣れてしまうのです。直ぐにリセットして下さい。平気にさせるのは保護者なのです。

よだれでべとべとな状態は誰しも躊躇してしまいます。また子ども達も敏感で、汚れていたり、においがすると、誰もそばに寄らなくなります。結果的に、刺激がなくなります。単独行動が増えてしまいます。お友達との接点も少なくなり、協調性や、社会性を育む沢山の機会を失ってしまうのです。

まず、身ぎれいにさせる事、高価な服を着せるのではなく、清潔な服を着せる事が保護者の責任であるとご理解下さい。毎日着替えさせる、下着を替える等基本的な生活習慣を身に付けなければ、1週間も2週間も同じ下着をつけたり、するような事になりません。
※放置すると、大人になってもその習慣を引きずります。周りも避けて何も良い事がありません。

お気に入りだからと同じ服をずっと着せている場合もありますが、きちんと取り替えていかなければ、拘り(こだわり)が強くなるだけで快方に向かう事はありません。似た色、似た柄から、徐々に離していけば、拘りも薄らぎます。拘りを聞くから、拘れるという事もご理解頂きたいと思います。

社会実験で、背広を着た紳士と、同じ男性が、みすぼらしい服で倒れた時の周りの反応を調査した研究報告がありますが、背広を着た紳士が倒れた場合は、周りが急いで対応しますが、みすぼらしい服だった場合、見て見ぬふりをして多くの人が通り過ぎてしまいます。悲しいですが、これが現実だと思います。

身だしなみは、大変重要な療育項目ですが、保護者の努力で直ぐに解決できる項目でもあります。多くの関わりを持つ中で、身だしなみが整っていれば、様々な場面で成長の機会を獲得する事ができます。

忙しくて大変でしょうが、ちょっと頑張ってみて下さい。