NO120.適切な服装とは(改)
私達は、年齢を重ねるに従い、仕事をする上でも、円滑な社会生活を送るうえでも、その場、その場にふさわしい服装をする事が必要であると考えます。
お葬式には、黒の喪服に、黒のネクタイ、結婚式では、白のネクタイ、医師が診察するときは診察衣(ドクターコート)、看護師は白衣が通例だと思います。お寺様であれば、袈裟であれば大丈夫ですが、法事に背広でお出でになると???となるのではないかと思います。
魚屋さんが、店頭で背広を着ていたらおかしいでしょうし、コンビニのレジを背広を着た人がレジ打ちすると違和感を感じると思います。それは、その仕事に合わせた機能が必要である事を私達が知っているからです。
今でこそ美容室は、その人の感性やセンスで様々な服装が認められていますが、大昔は、白の上衣が当たり前でした。それは清潔感を表すその当時の常識であったのだと思います。
上の3人は私が天塩にかけて指導してきた、ズッコケ3人組です。学校帰り土砂降りの中、傘もささずにやってきた時の記念写真です。(現在は中学生です。)
如何でしょう、パンツとシャツのみの、あられもない姿ですが、全体から元気と、楽しさが伝わってくる事と思います。
これが子どもの素の状態であると理解して下さい。
では次はどうでしょう。
ラッパーのような楽な服装です。
ヨウ♪ヨウ♪
基本的に大きいので、のびのび着れますし、ゆたっとしています。
ヨウ♪ヨウ♪
ズボンもダブッとしているので、比較的長い期間使用出来るかもしれません。
でも、ラップ的なのです。
本当に「ヨウ♪ヨウ♪」なのです。
ピリッとしないのです。
きちんとしていないのです。
だら~としているのです。
クニャクニャしているのです。
足もそろいませんし、力も入りません。
ヨウ♪ヨウ♪なのです。
では、次はどうでしょうか????
可愛いピンクの洋服でご本人もご満悦です。
パステルカラーで、いつも可愛らしい恰好をしていたお友達です。
柄も派手な物が多く、いつも奇抜な落ち着かない服装で過ごしていました。
何故か、そわそわがとまりませんでした。
1分とじっとしていられません。
静かにしてねと指示してもすぐに話し出します。
周りに注目して欲しく奇をてらった行動が目立っていました。
いつも落ち着きがないのです。
楽しいの優先なのです。
写真撮影に際して、立ち位置だけは指示していますが、ポーズは各自に任せての1枚です。
さてどうお感じになりましたでしょう。
今度は良い見本をお見せします。
服装は普通ですが、既製品にちょっと手を加えた物をいつも来ていました。効果な物ではなく、清楚で、機能的で、女の子らしい物です。(※ジェンダーフリーに関しての討論はご遠慮致します。療育的見地でのお話です。)
今度は上記と同学齢のお友達です。
これら3枚の立位の撮影は年長夏です。
手を見て頂くとわかりますが、「女の子は、こうあるべき」と理解しています。立ち姿も綺麗です。背筋も伸びています。実際に落ち着いていましたし写真でも容易に推測出来ると思います。その後、成長に従いメキメキと力を養いました。お友達からも人気でしたが、今でもずっと人気があります。成績も大変優秀で、良い子の見本のようになっています。
2枚目のお友達も、3枚目のお友達もそれぞれお願いして、以下に記述した服装に変えて頂きました。するとみるみる態度行動が変わってくるのです。
何故、すぐに指示しないか??という声が聞こえて来そうなので前もってお答えしますが、保護者の方と人間関係も樹立出来てない状態で、いきなり服装の指摘等なかなかできるものではありません。
一見何でもないような服装ですが、保護者のセンス等も否定されたと誤解されそうで、出来る物ではないのです。ましてそれまでの子育てで傷つかれている場合も少なくなく、ちょっとした言葉遣いで大変な事にもなりますので、時間をかけている次第です。
さて、理想の服装とはどんなのでしょう…
1清潔である事。(夏等毎日洗濯して頂く事が最低条件です。)
2華美な物は絶対に避ける。
3柄物は極力避ける。
4落ち着いた物を選ぶ。
5ルーズな服は着せない。
6男子は半ズボン。
7女子はスカートが基本(女の子らしい所作を覚えます。)
8色はシンプルな物
上もTシャツよりは、ブラウス、カッター、ポロシャツが理想です。
これはみつば幼稚園の最初に私が採択した園服です。決して高価な物ではありませんが、きちんとしている物です。
子ども達が平素着る服は、このようなきちんとした園服が理想です。幼稚園等の園服はフルに利用される事をお勧め致します。お友達や、先輩ママ等から通わなくなった幼稚園の園服を頂くのも理想的です。古着専門のオークションサイト等をチェックされると思わぬ拾い物もあるそうです。
手先が器用だったら、上の服のように、ちょっと刺繍をしたりするともっと喜ぶと思います。この服は全部お母さんの手作りです。手作りを理解出来る力があれば、大切に着てくれます。
汚さないように注意します。
きちんとした服装をすると、不思議な事に背筋が伸びるのです。
地面に座り込んだりしません。
鼻水を袖口で拭いたりしません。
汚れた手を服でぬぐいません。
女の子も胡坐をかくなど下着が見えるような座り方はしなくなります。
きちんと椅子に座ります。
本当に不思議なのですが、フラフラしなくなります。
お姫様であれば、お姫様のようにふるまうのです。お姫様にしたければ、お姫様を目指して形から入って下さい。お姫様にしたければ、お姫様のような扱いが必要なのです。自分で自覚すると、お姫様になるのです。お姫様のようにふるまう事が出来るのです。
大切なのは、実は服装だけではありません。
髪型も大切です。
言葉遣いも大切です。
モヒカンをしている子が素直な良い子になると思いますか?
服装が整うと、言葉遣いも変わるのです。
まず、きちんとした服装に変更する事で成長が得られます。
高価な服が必要なのではありません。
どなたが見ても落ち着いている服の着用を目指して下さい。
子どもの素の状態から服装を選ぶのは保護者の責任です。素の力を活かせる服装を心がけて下さい。
それでは
ヨウ♪ヨウ♪