NO129.勇気を出して…

同じ失敗を繰り返す。いくら言ってもいう事をきかない。ついカッとしてしまう事は誰しも経験がある事だと思います。

イライラが溜り、なじってみたり、怒鳴ってみたり、つい押してみたり、その行動が徐々にエスカレートし、小突いたり、軽くたたいたり、つねったり…徐々に危険な領域に入り始めます。

声も大きくなって、何とかしたくて強く叩く…

教育的見地から…躾の一環として…昔は皆学校の先生に、ゴツンと…何があっても、現在の社会通念として暴力を肯定する事は出来ません。

どこまでがよくて、どこから虐待なのか非常にデリケートな問題であります。それらのデリケートな問題の議論は今回は省きたいと考えますが、何をおいても恒常的な暴力は絶対に許される事ではないと断言致します。

該当される方は即時やめて下さい。配偶者が行っている場合も断固たる決意をもって対応しましょう。見逃してはならないのです。暴力を振るわれる子ども達も振るっている親も双方とも救う手だてを考えて下さい。

つい暴力を振るっている方へ、
私達は猛獣使いであってはなりません。

鞭打たれて出来る事には限界があります。子ども達は考える力を有しているのです。ただ、考えるに至るまでにそれぞれ必要な時間が違うのです。直ぐに習得出来る事と、膨大な時間を要する違いがあるのです。身に付くまでに時間が係るという事を理解できれば、多くの場合暴力行為がなくなります。

暴力をふるわなくても解決できるのです。

いきなり殴られると、何故暴力をふるわれたか理解が出来ず、混乱したり、萎縮したりを繰り返し、結果何もできなくなってしまったり、暴走したり制御できなくなってしまいます。

暴力には、暴力が返ってくるようになります。多くの事例からも暴力の連鎖は実証されています。

厳しい事と、暴力を振るう事は違うのです。

憂さ晴らしをしないで下さい。
子どもにあたらないで下さい。
暴力は本来犯罪なのです。

ご家族の方へ
家族の方も暴力を容認しないで下さい。

見過ごしてはなりません。互いの傷が深くなるだけなのです。何とかして止めさせる手だてを考えなければなりません。

多くの場合、暴力を振るうような保護者はひどい保護者であると思ってしまいますが、子どもを虐待している保護者自身も子ども達と同様に傷ついている事が少なくありません。

生活苦、家庭や仕事先の問題を一人で苦しんで、孤立しているケースや、親自身が子どもの頃に虐待で苦しんでいたとう事案も少なくないのです。保護者も助けが必要なのです。

現在は保護者への援助に対しても各行政が積極的な取組みをされています。まず家庭から暴力の芽を摘み取りましょう。安心できる環境を与える事ができるように取り組んで下さい。しかるべき人に入って頂く必要があるのです。

暴力は、増殖します。より強くなります。歯止めがきかない怖さがあるのです。最悪の場合は子ども達の命を失ってしまうのです。年間60名前後の死亡事件が発生し、実に週に1回のペースで起こっている事なのです。

1週間に1名の子ども達が亡くなっているのです。

現在平成2年当時は、年間に1101件の虐待の相談がありました。徐々に跳ね上がり、平成8年には4000件を超え、平成11年には1万件、平成13年には2万件を超えて、平成16年には3万件、平成20年にはついに4万件となり、平成22年の調査では55612件毎日150件の相談が入っているのが現状で、20年で実に50倍となりましたが、多くの理解と取組みで、死亡事件数は抑える事が出来ているのです。

支援体制や、フォロー体制がこの20年で構築されてきているのです。1人ではありません。沢山の知恵をもって対応する事が可能な時代になってきています。

1人で悩まずに

児童相談所へご相談されて下さい。お家の事情に合った解決策を必ずご提示頂けます。専門家の集団です。秘密も厳守して頂けます。24時間365日の体制で支援頂けます。

暴力がひどく、骨折、火傷、頭蓋骨陥没、殴られて耳が聞こえなくなったり、失語症を発症したり、記憶障がいになったり、失明する等生命に危険が及びそうな時は、警察の力をお借りしないとどうしようもない事案もございます。

家族が暴力を隠していて、ご近所や、園や学校の通報等で、警察の取り扱い事案になると、児童相談所の域を越え、状態により逮捕等の刑事罰となり、職を失うなど、生活基盤にも関わる甚大な余波が出る事にも発展する事もあるようです。

暴力を振るわれている時は、家族の方も見ていても怖いと思います。怖くて動けなくなる方もおられると思います。暴力を振るう方も落ち着いて注意すると泣きながら詫びる方も少なくありません。私も嘗て何度も介入しましたが、本来気弱で大人しい方が多いのですが、豹変するのです。第三者の介入があっただけで治まるケースも少なくありません。

第3者が介入すると冷静に自助能力が働く為です。うやむかに出来ないと理解するとおおよそ治まります。9割の人は暴力は悪いとわかっているからです。

ご家族がいくら言っても治まらないのは、許してもらえるという甘えが根底にあります。自分の子どもだから、教育的な指導と屁理屈をこねて、自分の暴力を正当化させますが、第3者の介入は状況が違うのです。身を滅ぼすという怖さが自制を生むのです。また暴力を振るう側の何割かは心が病んだいたり、精神的に傷付いているなど専門家の支援が必要なケースもあり、何をおいても児童相談所へご相談される事をお勧め致します。プロの組織なのです。50倍にも膨らんだ問題を解決されている専門家集団なのです。何等かのミスがあった時だけマスコミで問題となりますが、毎年5万件以上を解決されているのです。

児童相談所のお取扱いになると、双方のケアーをして頂けます。個人情報も十分保護されますので生活基盤をゆるがすような事はありませんので、まずは専門家にご相談されて下さい。以下の番号でお近くの児童相談所に繋がります。お子様の為に、家族の為に、勇気を出して相談して下さい。

※児童相談所全国共通ダイヤル0570-064-000