NO262.ウロウロ君がじっと出来るのは…
NO262.ウサギと怪獣
【ダウン症】 【自閉】 【LD】 【多動】 【注意欠陥】
私はよく黙ってじっと考え事をしていると
「怖い」と言われます。
若いときはそんな事はなかったはずなのですが、ボランティアで家庭内暴力や、DV問題のような理不尽な問題に関わるうちに、笑っていないと雰囲気が鋭くなってしまったのでは…と考えています。
保護者がやくざまがいだったり、本物だったりと、いろいろあったが原因なのか、繁華街でも憮然と歩いていると、声を掛けられた事は今まで一度もありません。海外でも同じです。
でも良く考えたたら、学生の時に何故だかわかりませんが「赤鬼」と呼ばれた記憶がかすかにあるような気もします。💦
そうですプリミティブ※な感覚の中では私は「怪獣」なのかもしれません。ガオー
※プリミティブ(primitive)とは、「原始的」「素朴な」「野生的な」という意味。
子ども達にとって私は、怖い存在なのです。
見えないから怖いのです。不気味だから怖いと思うのです。
沢山の多動が目立つお友達がCOMPASSに来られます。COMPASS開設以前は多動が収まるという噂で沢山の子ども達の指導も行ってきたのですが、難しい事をしているわけではないのです。(指導はちょっと厳しいかもしれませんが…💕)
飛び跳ねるキツネも、暴れん坊の山猫も、わんぱくな野猿も、力の及ばない猛獣の前ではプリミティブな感覚の中で静かになるのです。
COMPASSの先生達は、第2の母であり、やさしいお姉さんです。生き物に例えるとウサギさんではないかと思います。経験豊富なウサギさんも、やさしい大きなウサギさんもおりますので、たいてい問題行動は抑えられるのですが、時々手に負えない獰猛なお友達も来られます。
その時が私の出番なのですが、殆どの場合は最初の5分、よくかかって20分あれば別人のように静かに出来るようになります。
暴力を振るうわけでも、恫喝するわけでもありません。
ちょっと魔法はかけますが傍にいるだけで変身させる事ができます。あとはそれをしっかり評価し持続させる事で多動を押さえる事ができるのです。
抑える事が出来れば、やさしい対応(ウサギ先生・ウサギの母さん)であっても、あとは評価により、忍耐力・持続力・抑制能力を身に付ける事が出来るようになるのです。
もう二度と走り出す事はないのです。
では、だれにでも出来る簡単な魔法のかけかたをお知らせしたいと思います。
先日COMPASSで大暴れした中学のお友達がおりましたので、早速指導を施しました。
決め手の言葉は「そんなに暴れたいんなら一緒に道場に行こう…。」と誘っただけです。彼は子猫のように静かになりました。怖すぎたのか暫く号泣していましたが、それ以来静かに学習に取り組める事が出来る様になり、私がいなくても問題行動はなくなりました。
道場は例えですが、そんなに暴れたいのであれば、一緒に暴れてあげようというのが話の要点です。
ポイントはこんな所にあるのです。
愛情をもって君に大切な事を教えてあげようと言われた時、行動が制御できるようになるのです。因みに本当の道場に行く必要はないのです。そこまで抗える心をもったお友達には未だ出会った事はありませんのでご安心下さい。
座る位置、距離、声音、声のかけかた、相手の理解出来る話の組み立て方、責任の追及の仕方、事の重大さを理解させるプロセスも大切ですが、ポイントは未知なる体験です。
叱られて、怒られて直ぐに治るようであれば、その段階で抑制出来るようになっているのです。
行動抑制の根底にあるのは、何が起こるかわらないという怖さなのです。
人間は現状維持が好きなのです、現認出来る事は意味を成しません。拳骨も体験するとこんな物かとなるのです。ひどく怒られても、1度体験すると慣れてしまうのです。
どうなるかわからないから怖いのです。
知らない所に行くのは怖いのです。
知らない人に逢うのは怖いのです。
何をされるかわからないと怖いのです。
何が起こるかわらないと怖いのです。
怖さが行動を抑制します。
推測による怖さが慎重に行動できるようになるきっかけなのです。
何をされるかわからない…怖そうな「怪獣」…
ホントは優しいのですが…
怪獣が家にいなければ、
怖そうな状況が抑制の糸口になるのです。