NO264.時間との闘い…

NO264.悩むより始める…
           限られた時間の中で
 保護者心得    【言語】   【ダウン症】 【自閉】 【LD】 【多動】  【注意欠陥】
子ども達の成長を促しやすい時期にも残念ならが期限があります。

毎日沢山の療育相談を希望される方が来所されるのですが、学齢が上がれば上がるほど、同じ症例であっても、同様に療育指導を行っていても、表出する結果に差異が生じます。

今回は言語に関して考察してみたいと考えます。

言語に関しても、2歳前後のお友達、4歳前後のお友達と、6歳前後、10歳前後、12歳前後では進歩進捗に差が出てしまいます。

一概に申し上げにくいのですが、15歳あたりで急激に進歩の歩調が遅くなってしまう傾向
が露呈しはじめ、個体差はありますが、18歳辺りで急激に鈍化してしまいます。

成長が無くなるわけではありません。成人しても成長し続けるのですが、成長ペース、成長の幅がガクンと落ちてしまうのです。

私も昔左足の半月板を損傷して足首から足の付け根まで約半年間ギブスを巻いた事があるのですが、運動をして鍛え上げた筋肉もやせ細って太さが半分以下(大袈裟ではありません)になってしまった事があります。

使わない筋肉は削げ落ちるのです。

使わない能力は低減してしまうのではないかと考えます。

私達の脳細胞は、全てではないが、殆どのニューロンは分裂せず、1日あたり10万個は死んでいる。脳内ニューロンが1000億個あると言われていますが、1日10万個は恐ろしいスピードです。

生後の環境や、学習や様々な経験の中で、使用されている物は残ると考えられますが、余分な物つまり、活動していない、刺激の少ない部分から欠落していると予想できるのです。

長い期間言葉を発する事から遠ざかっていると、発語を促す機能を司る脳細胞が減少してしまうと予測でき、その為学齢が上がれば上がるほど、成長を促すのに時間が必要になると推測できるのです。

またストレスも成長に従って二次的な問題に結びつく事も少なくなく、本来の問題が1つであっても、それに自傷行為が加わったり、他害が加わったりと別な問題を巻き込んでしまい、成長を阻害する因子に結びついているのではと考えます。

早く対処すれば、1つの問題だけで解決出来た事が、学齢が上がれば、併発する課題も増えてしまい、悩むよりまず対応をどうするかという事が大切であると言わざるをえません。

まず取組みを始める事、刺激を与え続ける事、適切な支援を計画的に実施する事が大切ではないかと考えられます。

1日でも早く正しい療育指導に取り組む事、1日でも早く適切な刺激を与える事が解決の糸口になるとご認識下さい。

早いほど療育効果が高いとお考え下さい。

年齢が上がればあがるほど、成長を妨げる因子が増大するとお考え下さい。

小さい時から訓練ばかりで可愛そう…というのは間違った優しさでしかありません。

学齢が上がり、成長した後に、劇的な成長変化が出たという報告事例は1例たりとも聞いたことはありません。

幼いお子様の保護者の皆様は、幼いだから出来る事が沢山あるという認識をしっかりと持たれて下さい。

チャンスは今なのです。

次回はNO265.成長したら無理なのか…学齢の高い保護者の皆様へと題して別な観点からお話をさせて頂きたいと思います。