NO277.伸び率の違い…
NO277.成長が止まったの?
保護者心得 【言語】 【ダウン症】 【自閉】 【LD】 【多動】 【注意欠陥】
幸せは~という歌がありましたが、子ども達の成長もその通りで、決して歩いては来てくれません。
前回の記事で情報過多による弊害と、見極める方法(情報化の弊害)についてお話致しましたが、まず悩むより始める事が大切(時間との闘い)で、一歩踏み出す大切さは今まで何度もお伝えしきた通りです。
時間をコントロールする事も大切で、日々かける時間により、成長の度合いも変わります。1日1時間指導を受けるお友達と4時間受けるお友達ではその差は歴然です。
しかし残念ながら、毎日頑張ってお子様の療育支援に力を注いでいても、それぞれの成長には個体差が伴い、伸び率は均一ではありません。
それは前提条件としての、お子様の資質、獲得している(身についている)能力が異なるからに他なりません。
言語に関しては、その習得度合、言葉の意味の理解度にも大きな違いがありその後の成長に大きな影響を与えます。
生活年齢(生まれてから、今までの時間)も異なり、体格差も同学齢のお友達でも千差万別で、生活環境も異なり、家庭環境により、生後の刺激の度合いもそれぞれ違い、これらの違いが、成長に大きな影響を与えていると思われます。
現在調査中ではありますが、気圧や温度の変化、天候、季節の違いも成長に大きな影響を与えているのではと考えており、地域差もその要因に加わるものであると考えます。
循環器系の疾病による問題を抱えていたり、血流が何らかの影響で悪い場合も、成長成果に大変大きな差異が起こり、それぞれの伸び率にはどうしても差が生じる物である事をまずはご理解頂きたいと思います。
Aちゃんは、同じ年齢で、半年前まではうちの子と同じくらいのレベルだったのに、どうしてこんなにちがうのでしょう…こんなご相談を頻繁に頂くのですが、上記のように前提要因が異なり、一元的に成長成果をくくる事は出来ないのです。
個人差は否めないとお考え下さい。
資質にもよりますが、理解しても、翌日その内容を想起(思いだし)し、行動に移す事が誰でも容易に出来るわけではないのです。理解するまでに時間がかかる場合もありますし、想起する事が困難な場合もあるのです。
同じ事を何度も何度も繰り返す…気が遠くなるほど繰り返してようやく成長を獲得出来る事も少なくないのです。
また成長にはJカーブ(時短はいかん)を描くと以前お知らせしましたが、その成果は右肩上がりに成長し続けるという事はありえないのです。
成長にも順番があるのです。
ハイハイしていたお友達が、つかまり立ちして、やがて立ち上がり、歩きだし、走りだすまでにはそれぞれの能力が次の段階に進むまで力を「満(みつる)」まで次の成長は得にくいのです。
立ち上がったからといって、走り出すわけではないのです。歩きだしたからといっていきなり走り出す事は絶対に出来ません。最初は1歩踏み出す事がやっとです。それが2歩、3歩となり、普通に歩けるようになってから、速足になり、そして突然走り出すのです。
走り出すといってもいきなり全力疾走が出来るわけではなく、軽く短い距離をパタパタするだけです。パタパタを繰り返し、徐々に距離がのびて、バランスの問題も調整され、必要な筋力が得られてから、スピードや、距離が徐々に伸びていくのです。
言語指導において、平仮名が読めることと、単語が言える事は似て非なる物で、まして文章が読めるようになったり、書けるようになるには更に、その次の段階に移行するまでに誰であってもその子の条件にみあった時間が必要なのです。
必要な時間はお友達の資質等、上記に列挙した要因により期間が変わるのです。ですからA君が出来た事をお子様が同じように出来るという事はまれであり、成長しているA君がやがて、停滞期に入っている時に、お子様が劇的に成長される事もあり得るのです。
ポイントは、何があっても、成長が止まったように見受けられても、諦めずに支援し続ける事でいつか成長が獲得できるようになるとお考え頂ければと思います。
成長が止まったように見えて諦めず、焦らずに支援し続ける事で未来が拓けるとご理解頂きたいと思います。
「成長が止また」のではなく、「力をためている」と認識頂きたいと希望します。