NO.379 メールのやりとり

NO.379 就学の不安を解消するには
 保護者心得   【自閉】 【LD】 【多動】

成長のご連絡と、就学に関して同じ悩みを持たれている方も多いかと思いまして、お母様とのメールのやり取りをご案内致します。

 

コンパス発達支援センター 代表 北田様

 お世話になっております。香川県の●●市に在住の●●と申します。昨年6月にcompass●●での療育を開始して7ヶ月。長男の成長と現状についてご報告させて頂きます。

 通所当初は「●●」と「パパ」しか喋ることができませんでしたが、今ではたくさんの言葉を話すようになりました。家庭では文章でお話が出来るようになるために、下記のような対応を心がけるようにしています。長男が単語で話すと、動詞をつけ、短い文章にして繰り返し反復します。

「ちゃちゃ」と言えば「ちゃちゃ、入れて」「お菓子」と言えば「お菓子とって。」繰り返しているうちに、日常的な動作や毎日の挨拶では二語文が出るようになってきたように感じます。

 また、「どこ?」「何?」という質問に答えられるように始めた取組についてご報告します。

 絵本や本人が描いた絵を見て、「これは何?」と聞くと「バイク」「でんしゃ」と答えが出ます。「電車どこ?」「ミキサー車どこ?」と聞くと「ここ」と指さして答えてくれます。その際に「ここやね。ミキサー車、工事現場におったね。」と具体的な場所を言葉にして付け足すようにします。

 ミキサー車が「どの場所にいたのか」場所の名前を添えることで、少しでも認識がひろがれば良いな、と思ったからです。

 最近、子猫を新しく家族に迎え入れました。長男はその子が大好きです。「●●」と名付けた子猫は、ソファーの下に潜り込み、よく姿を消します。●●が見当たらなくなると、「●●ちゃん探しにいこう。」と促し、「●●ちゃん、どこ?和室かな?」「●●ちゃん、どこ?着替えの部屋(クローゼット)かな?」同様に「トイレかな?」「お風呂かな?」と「●●ちゃん、どこ?」と言いながら家の各部屋を探しに行きます。目的の部屋に着いたら「ここは和室。」と場所の確認。「●●ちゃん、どこ??」と呼びかけます。

 「どこ?」に対応する言葉が「場所」であると実際に動いて、その場に到着すれば分かりやすい、と思ったのです。続けていくうちに「●●ちゃん、どこ??」が出るようになりました。そして自分から、「はさみ、どこ??」「ティッシュ、どこ??」と言うようになってきました。

 過日、保育所で個人面談があったのですが、compassに通い始めての夏以降、飛躍的な成長が見られていると。仲の良いお友達が出来てきたこと。これまでは絵を全く描かず、昨年の同時期にはクレヨンを握ることさえ嫌がっていたのに、トラックやバスを立体的に描いたり、大人の目で見ても、上手な絵を描くようになった、と言って頂きました。(下記の絵です。)また、はさみは、フリーハンドでブルドーザやミキサー車を切り抜き、クラスでも一番上手なくらい、と言って頂きました。

 お友達も長男が描いた絵をみて「すごい!」「上手!」と言ってくれているので、本人の自信に繋がっていけば良いと思います。ただ、言われていることに理解はあるものの、興味がなければ、床に転がってしまうこともある(ボクはやりたくないという拒否行動の表れ)、食事にあまり興味がないこと、転がしドッチなどのルールのある遊びでも、他の子は楽しんでいるのに、地面に絵を描いたり、自分の世界に集中してしまい、先生に配慮をしてもらっているようです。

 状況に合わせて、みんなと行動を合わせていけるように、アプローチしていけたらと思いますが、何か良い方法等はございますか?

 先週の金曜日に、小児神経科医による定期診察で発達の様子を見て頂きました。今まで診断がつかず、「自閉症やADHDではない」と言われ、「このまま様子を診ましょう。」とOTを一ケ月に一回実施してきました。言葉がたくさん出るようになったこと、うまくコミュニケーションが取れるようになったこと。非常に絵がうまく、視認したものを模倣することに長けており、周りの空気を読み、状況判断が出来ていることから、成長がみられる、と。

 ただ、来年度は年長で就学を控えることとなり、現状では、何らかの支援は必要だと考えられる、と。大きく分けて、支援学校、支援級、通級等があるので、行政と相談して、たくさん見学に行かれて検討されてはどうか、診断書が必要であれば、作成します。と言われました。

 いつかはこういう時が来ると、思っていましたが、やはりショックでした。同学年のお友たちを見ていても、のんびりしていますし、言葉など、3歳レベルだと思います。支援級が嫌だと思っていませんし、むしろ低学年の基礎学力にこそ、今後つまづかないように、綿密な指導が必要だと思っているので、私自身も通常級よりは支援級の方が良いかも、と思っていました。

 ただ、これまでに何度も支援級等の相談をしており、「とりあえず、今は様子をみましょう。」という返答だったので「そのうちに追いつく。」と希望を持って信じていたところもありました。だから医師の言葉を受け止める容量が私にはなかったのだと思います。もう「様子をみる」時期は終わり、「今は」就学に向けて動き始める時期がきた、のだと思いますが支援級や養護学校の可能性についても質問しており、長男のような発達のタイプの子ども達はどのような進路を進むことが多かったのか、話して欲しかったと思っております。

 「様子をみましょう。」と言われ見守りに徹し、悪い言い方をすれば放置した結果、就学の時になり、「やはり、発達に問題があるので支援級、支援学校に行きましょう。」では困る、と思いcompassに通い始めました。もっと早くに通所すれば良かったという気持ちとcompassに行ってなかったらどうなっていたのだろうと思います。

 ただ、保育所の面談でも言われましたが昨年夏以降の成長はめざましいと。長男は長男の進度で日々成長しています。突然、出来るようになったことがたくさんあります。支援級でもなんでも良いのです。就学までに、できる限り、長男の力を伸ばしてあげて、その後の学校生活をなるべくスムーズに迎える準備をすることを一番に考えたいと思っています。

 どうか、ご助言をよろしくお願いいたします。
 

ご連絡ありがとうございました。

目覚ましい成長ぶり嬉しく思います。

成長には段階があり、これからは言葉の理解

意味の理解につながる支援が始まります。

近日、●●に入りますので、

直接お話出来ればと思います。

まだ進学までに14ヶ月あります。

諦めず取り組み理想の成長を勝ち取りましょう。

ご説明の際お見せしたかと思いますが、

あの中の子ど達全て、全員無理なく

普通学級に通っています。

成長はこれからです。

たとえ話を1つ

子供達には、天から神様が沢山の蜘蛛の糸を与えてくれています。

しかし、その糸を登るには、握力を付け、忍耐力を身に付けるなど

登り切るための沢山の力が必要です。

その力がなければ、途中で落ちたり止まったり、時期が遅く重くなりすぎるとその糸も切れてしまう事すらあり得ます。

登る為の力、つまり基礎的素養を今養っている時で、家族の力がくわわれば、彼を後押しし、押し上げる事も、糸を手繰る事も、切れないようにまとめる事も可能です。

機満ちれば、力強く天に向かって登るのに、個人差があるのです。

もう少しの努力で、夢は叶いますので、心配せず、指導し続けて下さい。

園での活動も、物事の意味がわかれば問題行動も減って来ます。

知識が行動を制御するのです。

知識を得る為の下積みの時期が今ですから、心配せず、取り組みを続けて、1つでも多くの単語を、1つでも、一語でも多く発語できるようご指導ください。

解決の道に近道はありません。

周りを気にせず、頑張ってお取り組みください。

来訪の日程が決まったらご連絡致します。

北田健二

 

悩むより、行動する事。

一歩でも前進する事が、問題解決に繋がると思います。

焦らず、諦めず、繰り返す事が大切です。

成長は、自ら獲得するものであって、待っていても得られません。

お子様の可能性を信じ取り組む事が重要です。

言葉は力であり、知識の源です。

知識が得られれば、行動を抑制する事が可能で、飛躍的に問題を解決する原動力となります。

読者の皆様も、お子様の成長を信じて、行動をおこして下さい。