NO60.子どもの暴言(発達障がい)
子どもの暴言(発達障がい)
何通かお子様の暴言に関してのお問合せメールを頂きましたので、予定を変更し、暴言抑制に関しての効果的な取組みをお話したいと思います。
何故暴言を吐くのでしょう?
多くの場合、保護者の方々もそのような言葉を使ってはならない事は口が酸っぱくなるほど話聞かせているのに、いくら言っても治らないと多くの方が悩んでいらっしゃいます。
○暴言を平気で吐くには以下の要素が考えられます。
1 暴言がどのような意味、影響を持っているか理解できない。
2 語彙そのものが少なく、自分の意思表示ができず、最も強烈な否定で使用している。
3 暴言により、言われた相手がどう感じるか、相手の気持ちを推察出来ない。
4 暴言は、殴ったり蹴ったり、盗んだりするよりましであると誤認している。
5 暴言を吐いた後、どのような対応がなされるか認識出来ていない。
6 暴言を吐く事そのものがかっこ良い事であると誤認している。
7 子供を取り巻く環境がそのような暴言を使う事を容認している。
8 食事の問題
8は非常にデリケートな要素を含んでおりますので、現在記事を勘案中ですので今回はスルーしますが、あえて申し上げれば、グルテンや、カゼインを含まない食べ物や、添加物、増粘剤、酸化防止剤、化学調味料を摂取を押さえれば改善されたという報告事例もありますが、万人に有効というわけではありません。私の生徒にも効果的な方とそうでなかった方がおられます。砂糖等の摂取を抑えるだけで気質に変化が生じたという事例報告もあります。成否分かれる問題です。試す前に排除する必要はないと思いますが、まずは正しい知識を持って取り組んで頂く事が何より大切であると思います。もうじき私見をアップ致しますのでしばらくお待ち下さい。
7の環境の問題に関しては、保護者が使っている言葉を模倣するのが言語習得の基礎で、保護者の意思によって改善する事が見込めますので今回は除外する事と致します。6は7に起因する面が多いと考えられますが、理解不足からという点ではここがグレーゾンであるとさせて頂きます。
安易に取り組む事を恐れるのは、投薬による対処です。
私は完全否定派ではありませんが、薬の試行期間がまだ短く、長い年月使用し続けた場合は未だ想像の域をでておらず、最終的な善し悪しの断定は出来かねます。(本当に未来にならないとわからないのです。)私も沢山病気しておりますので毎日何錠も薬を飲んでおります。何にせよ、お金もかかり、体にも負担がかかりますので飲まないに越した事ないとも思いますが、必要に応じた考えが大切だと思います。つまり家庭の状況、保護者の精神状態にもよります。これらの問題を加味した上で、自己責任で十分納得してから投薬治療に御取組み頂きたいと思います。(私の生徒にも投薬治療で改善した事例もあります。逆に体調を壊した例も幾例も見て参りました。良薬でも、「合う、合わない」があります。主治医とよく相談して慎重に御取組み下さい。)
コンパスは医療機関ではございませんので、もちろん投薬治療等はできません。そこで、私達が29年に渡って用いてきた対応手法について今回お話ししたいと思います。
暴言も初歩的なものでは、
言葉を言い放つだけで、その後を考えてない場合です。
言いっぱなしなのです。
精神年齢、生活年齢が幼い場合が殆どで、対応により多くの改善がみられます。
上記の場合は、基本的に自分の言葉に全くもって責任を持っていないのです。
思慮分別がないともいえますが、精神性の幼さが言わしめる事であります。
年中あたりからは分別が出来るようになるのが通例とお考え下さい。
これを超えて暴言が出る場合
つまり状況判断能力が欠如している。
先を見据えた思考が欠落している。
とも仮定できる場合も散見されています。
厳しい対応に関しては、「畏怖の心」を参考にして頂ければと思います。愛情を持った厳しい対応が望ましいとご理解下さい。厳しいのと怖いのは違うのです。どなったり、叩いたりしなくても優しい口調であっても後に下がらないご両親の強い決意があれば必ず改善するとご理解下さい。またきれいな言葉を使わなければと思わせるように思考誘導する事も大切です。
美人(可愛い女の子)は汚い言葉は使いません。仮面ライダー(正義の見方)はやさしい言葉と使います。多くの場合子どもの性善説を多用し意識誘導する事も効果的です。みな自分は、いい子で、やさしい子なのです。最初から悪を目指す子を、私は未だ見た事はありません。皆正義の味方が好きなのです。プリキュアはきれいな言葉しか使わないのです。
周りの期待に応えようと多くの場合子ども達は努力する力を秘めていますので、その力を刺激してあげる事によって、つまり「正しい声掛け」によって子ども達を変容させる事は容易い事であるとご理解下さい。そうありたいと思わせる事でも大幅な改善がみられます。
暴言に対して、責任を感じるのも、自分が発した言葉の意味を知るのも、その影響を理解するのも、相手の気持ちを察するという事も、全ては、言語理解に影響を受けているとご承知頂きたいと思います。
暴言を吐く子の半数以上は、幼児期の言語習得が遅れているという特徴があります。自分の考えを整理して話す力がない場合も少なくありません。学齢が進めば、正しい発語が出来ないだけでも大きなストレスとなり暴言を吐くケースも少なくないのです。
暴言を抑制するには、①正しい発音を身に付ける。②語彙力を増やす。③意味理解を深める。④類推する力を養うこれら大まかには4つのステップで解決出来ますが、その子の状態にもよりますが、数週間から3ヶ月程必死に取り組んで頂ければ多くの場合解決に近づける事が出来るとご理解下さい。
こればかりは一足飛びにはいかないのです。基礎が出来ないまま、鉄骨を組んでもビルは立ち上がりません。鉄骨を組み、外観を作るのは目立った行為ですが、基礎工事が不十分ではビルは建たないのと酷似しています。言語習得が基礎にあたります。そして鉄骨が意味理解なのです。
言葉の意味を理解せずして解決は非常に難しくなります。
平成26年1月末に来所し、2月初旬から通所する事になった年中(現年長)のお友達がおられます。言語習得が遅く、物分りがとても遅いお友達で、自分から話しかける事もなく、奇声をあげ、「馬鹿」「死ね」「禿」「デブ」という暴言を吐き散らしていました。
上記①から④を更に細分化した三葉メソッドを活用しながら、真摯に対応し、まず私共コンパスでの暴言がなくなり、3月末には家庭でも、園でも暴言が出る事がなくなりました。
唯一送迎の際に「ば~か」と言っていたようですが、それも4月末現在一切の暴言は無くなってしまいました。
お友達はそれは下品な行為であると理解しています。言われた人も悲し気持ちになる事を解しているのです。現在年長さんになりましたが、恐らく今後も良い子として頑張り続けてくれると思います。
汚い言葉はもう必要ないのです。自分の意見をきちんと話す事ができるのです。相手を叩いたりするような行為もまず見られなくなると思います。
学齢に合わせた「目標設定」も実に大切な事です。判りやすい言葉で毎日、朝晩食事前等決まった時間に唱和すれば、必ず子ども達の心に定着させる事ができるのです。数週間で可能になる時もあれば、数か月かかる場合もあるかもしれませんが、諦めず取り組めば必ず定着すると諦めず取り組んで下さい。
小学校、中学、高校になればなるほど、言葉の難度もあがり、心の氷解も難しく、多大な時間を要する事になると思われますが、日々の取り組みで多くの問題は解決出来ると確信頂きたいと思います。
どうしてよいかわからない方は093-475-0449までご連絡下さい。
連休中コンパスは平日は通常運営しておりますが、相談支援に関しましては5月7日まで
お休みを頂きますのでよろしくお願い致します。