NO64.出来る事&出来ない事

出来る事&出来ない事

連休前後、何通も私共の事を誤認されてのメールがございましたので、今後の事も考え、事例に合わせてお伝え致します。

「保育園の代用とし預かって欲しい」というご連絡が開所以来数件ございました。まず私共の施設は、行政より受給者証の発給された方しかご利用できませんので、保育園の空きがないのでその代りというような施設ではそもそもございません。発達障がいの特性を持つ子ども達の療育支援の場であるとご理解下さい。託児は託児の専門施設をお尋ね頂ければと思います。

「重症心身障がい」のご支援に関して

設備の関係上現在は、残念ながら「重症心身障がい」のお友達のご支援体制は確立できておりません。

重症心身障がいの方をご支援させて頂く為には、レスピレーター(人口呼吸器)等専門の設備が必要であり

まだまだ力不足の状態でございます。送迎車、トイレ等様々な整備の改善が必要で、私共も態勢が整い次第ご支援させて頂きたいと痛切にねがっており、将来受け入れ態勢を整えられる様準備致しておりますので今しばらくお待ち頂きたいと思います。

「小学校受験したいんですけど…」というご連絡も最近多くなりましたが、COMPASS発達支援センターは受験指導を行う施設ではございません。言語指導を中心とした療育支援をおこなっておりますが、あくまでも発達障がいの特性を持たれる方の支援施設で、健常な方は通所できません。受験に関しましては、系列の「みつば会」にお申込み下さい。

「発達障がいがあって、受験できるのか?」というご質問が一番多いのですが、率直に申し上げますと重篤な事例を除き、適切な指導期間があれば、「合格が可能」なほどに進歩致します。しかしながら、COMPASS発達支援センターの主たる目的は発達障がいの特性を持つお友達の療育支援施設であり、本質的に

、受験指導の場ではございません。

わかりやすい言い方をすれば、「受験に対応出来うるだけの実力を育む事が出来る」程の療育成果が得られている施設であるとお考え下さい。進歩と成長の比率が各段に違うとご理解頂ければ良いかと思います。10人の人がみて、「いい子だね」と実感頂けるような成長を遂げる事が出来る施設であると自負しております。

「いい子だね」にはいろいろな意味があって、

①きちんと挨拶が出来る。

②人の目を見て話す事が出来る。

③状況を察した行動がとれる。

④自分の意見を述べる事が出来る。

⑤整理して物事を考える事が出来る。

⑥物事の関係性を類推できる。

⑦相手の気持ちを察する事が出来る。

⑧やさしく、規律を持った行動規範を身に付けている。

⑨指導者の指示を理解し実行する事が出来る。

⑩静かに長時間待つ事が出来る。

⑪沢山の本を読む事ができる。

⑫注意力を持って行動する事が出来る。

⑬理解が早く、定着させる事が出来る。

⑭協調性を持って物事に取り組める。

⑮積極的に物事に取り組む事が出来る。等のようにな力を有する事が出来るように成りえる事が可能であるという事であり、理想的な生育状態を目指す支援であるとご理解頂きたいと思います。

「発達障がいなのに受験して…」と何とも差別的なメールも頂く事もあり悲しい気持ちになります。先日休養先の温泉で見かけた「足が悪いので温泉に入るなんて、周りの迷惑を考えろ。」と言い放った人がいる場面に出くわしましたが、まさに「障害者のくせに〇〇するな」「障がい者だから〇〇するなんて贅沢だ」という悲しい考えからに似ているかと考えますので、ちょっと視点を変えてお話したいと思います。

平成26年度6月に開所致します「COMPASS発達支援センター中津」は多機能型の施設で、本部のように児童発達支援事業(小学校前のお子様が対象)だけでなく、放課後等デイサービス(小学校から高校生)までの支援施設となります。放課後等デイサービスの取り組みの中では、レスパイトも必要かとは考えておりますが、主たる療育目的は、「学校の勉強について行けるように、学習支援を行う」事を主眼として考えております。

10か月後には、「十分な学力が身について、高校入試に合格する事も可能になった。」という結果が得られるだろう予測しております。これは「公立中学の特別支援教室に通われるお友達が、私共の療育支援を通じて、必要な学力を身に付けて、獲得した結果」であり、多くの方が願う喜ばしい姿であると考えます。

療育支援(学習支援)の結果もたらされた成果で、それらの支援方法等は一部は学校のご指導と、そして一部は家庭教師や、学習塾の指導内容に酷似してしまうと考えられます。高校入試と小学校入試出現する結果は同様ですが、スタンスや、その意味合いは、小学校就学前と中学生の学齢が異なる為に、支援に対しての認識と評価が変わってくるのではないかと受け止めております。

つまり高校進学率の高さに比べ、小学校入試率が極めて低い事からの評価の違いが顕在化されるのではないかと考えております。残念ですが、障害を克服して、高校、大学へ進学出来ると賞賛の的になり、言語理解が乏しく、集団生活になじめなかったお友達が、普通の幼稚園や、保育園に入園できるようになっても周りから褒められ評価頂くのですが、小学校入試に対しての印象は全くの別ものであり、長年の経験をもとに私共も痛感しておりますので、あらぬ誤解を受けないように、関係行政からのご指導もありまして、「みつば会」と「コンパス」は一線を引いた別々の対応をさせて頂いております。認識が異なるのです。

COMPASS発達支援センターの目的は、「保護者の心配を払拭し、子ども達の将来を切り拓く事」であり、「年齢に応じた必要な能力を獲得し、生活規範を通じて社会的に自立できるように支援する事」であります。

ただ私共が療育支援をした結果、通例では想像できない程成長してしまい「難易度の高い受験でさえも克服出来るだけの能力の開花が得られる。」事になっているという事をご理解頂きたいと思います。COMPASS発達支援センターの児童発達支援事業は、受験する事や、受験指導を目的としたものではないとご理解頂きたいと思います。

特に、小学校就学前の場合、特別支援学校や、特別支援教室へ進学しなければならないと診断され、ご両親も「何とか普通学級に通わせたい」という痛切な願いをもって来所されており、最初はどなたも受験どころではないのです。適切な支援を私共で受けられ、言語の意味理解を克服出来るようになられますと

①まず検査の結果「知能指数が追いついた」というご報告を頂きます。

②次に「生活年齢に精神年齢が追いついた」とのご連絡を頂き、

③数か月後「普通学級へ進学が可能であると言われた」

とお知らせ頂く事がパターンとなっております。

とまらぬ成長

「普通学級へ進学が可能」となられてきた頃には更に、本人にも高い向学心が芽生えており、「もっと頑張りたい。」「もっと賢くなりたい。」「もっと褒められたい。」「もっと喜ばせたい。」と殆どの場合、その能力開発に拍車がかかってしまいます。学ぶ事が面白しくて、面白くてしかたがなくなるのです。

言語が遅れていたお友達が言語能力獲得して、「おしゃべりが止まらない」と言う現象によく似ています。楽しくて止められないのです。成長が未熟で走れなかったお友達が、脚力がついて嬉しくて走りまわるのとも似ています。「かっぱえびせん状態」になってしまうのです。

ご家族も手を抜かれなくなり、ぐんぐん力を付けて行かれる事となります。「学校に入って困らないように」という強い思いが更に子ども達の力を押し上げていくというのが1つの流れであると言えます。

「学校で困らないように」という事で、算数を教え、漢字を覚えさせ、英語を習わせ、スイミングに通いピアノを習いとさながらちびっこアイドルと同じような過密スケジュールに突入される事例も少なくありませんが、これがまた、保護者が手を脱かなり限り得意になってしまうのです。

そしているうちに、受験が…というお気持ちになられ「みつば会」の門をたたかれるのです

受験を希望されるようになられるのは、普通学級へ進学が決まられた後で、

①更に成長し続け、この子は将来すごい事になるかもという期待。

②環境も良く、万が一この子の障がいの特性が出ても「いじめ」等から避けられるのでは

という考えに至られて検討される方がほとんどです。

しかるに、「障がいがあるのに、受験なんて」と考えるのは早計で、いろんな人がいる中でもまれて育った方が良い子もおりますが、一定の教育環境の方がのびやかに育つ事例も沢山あるとご理解頂きたいと思います。地域性もありますが、障がいがあるからこそ安心して通わせたいという親の思いがそこにはあるとご承知おき頂きたいと思います。

私共の幼児教育部門である「みつば会」では、支援事業として20余年前から様々な発達障がいの問題を抱えるお友達に対しても指導を行って参りました。お預かりした多くはその後、順調に小学校、中学、高校へと進み、ほぼ全員が大学等に進学され、その後希望の職種に就職し、幸せな結婚をして、子供が出来たというご連絡を頂く事も実際少なくございません。職域も工学系、医療系が目立ちドロップアウトは皆無です。中には私共の職員の主治医になるなど、多岐にわたって社会に貢献できるまでに成長しております。

既出にもございますが「みつば会」会員の5~10%は発達障がいの特性を持った子ども達です。療育支援のスタート当時は、見守りが主力であり、既存の指導法では解決が難しく対応ができませんでしたので、私共は「三葉メソッド」として個々の問題に合わせた教育手法を考案し、実践指導を繰り返す中で、独自の現在の療育手法を完成致しました。みつば会では、その上で、更に受験指導をおこなっているのです。

三葉メソッドは、普通学級、就園、就学を実現するための療育手法で、建築でいう土台です。

みつば会の受験指導は土台の上に建てる柱や屋根や壁であり、基礎的部分の構築ではありません。

三葉メソッドでは、言語に関しての習得を第1義としておりますが、みつば会の受験指導には、そのような項目はありません。理解していて当然してとらえており、難易度が全く異なり指導項目は多岐に及びます。

もうすぐ設立30周年となりますが、その殆どをそれぞれのニーズに合わせた指導法の考案と実践検証、必要な教材の独自開発に費やして参りました。その中でも「三葉メソッド」は熟慮に熟慮を重ねた療育手法であり、受験指導とはその性質も内容も全く異なります。

三葉メソッドは、言語を中心とした療育指導の事を指しております。

既出事項ではありますが、言葉の理解なくして、社会適合性は得られないという考えが根底で、社会適合能力を育むために言葉の理解を深める事に長年取り組んで参りました。

教育ボランティアとして、永年、不登校等を含め、多くの発達障がいの特性を抱える子ども達の療育支援も行って参りましたが、発達障がいの子ども達の療育支援は、実際の支援時間よりも、療育支援させて頂く為の事前準備に膨大な時間と手間を要し、お子様一人一人に独自の教材準備が必要で、ボランティア活動としてご指導させて頂く人数もどうしても限られてしまうのが実情でございました。

沢山の子ども達の支援に限度があったのです。学校の教育現場に出入りさせて頂く中で、特別支援に取り組まれる先生方のお悩みも同様でございました。

そこで、私共は、一人でも多くの子ども達の支援が実現し、教育現場の一助になるべく、私共の療育手法である「三葉メソッド」をベースとして、新たにシステム構築致しましたのが、経営革新事業として、福岡県の認定を頂き開発致しました、特別支援教材「えすぷり」ダウンロードサービスなのです。

そして「えすぷり」を活用し、「三葉メソッド」を実践し、少しでも多くの子ども達の未来を切り拓く為に開設致しましたのが、COMPASS発達支援センターです。

何度も申し上げますが、みつば会では、受験指導を行いますが、COMPASS発達支援センターでは、受験指導等はございません。COMPASSは、様々な発達障がいの特性を、進歩と成長により改善する事が目的で、最終目標は普通学級への進学であったり、普通に就園出来る事を目的としております。どうぞくれぐれもお間違いのないようお願い致します。

小学校受験対策は「みつば会」で行う「受験指導」であり、療育支援を目的としている「三葉メソッド」とはテキストも指導方法も、指導場所も指導時間も異なります。また「みつば会」は、私共のボランティア活動を支える大切な収益部門ですので、授業料も有償であり、都心ほどではありませんがけっしてお安くもありません。

公立の延長線に位置する国立小学校入試に関しては、リーマンショックの後から、特待生制度やご家庭資金的な問題を援助する為の奨学生制度を完備しております。しかし私学に進学を考えておられる方は、それだけの資力をお持ちでらっしゃいますので、基本的に全て有償です。みつば会へのご入会にはも、厳しい制限と規約があり、合格率を堅持するため、ご入会をお断りする事例も少なくございません。通所要件を満たしておられれば、通所可能なコンパスとはあらゆる面において異なります。

就園や、高校入試等とのはざかいであり、それゆえ療育支援と受検指導は分離しております事をご理解下さい。ただ私共の療育成果を最もわかりやすく表現できる指針としてあげているのが、「普通学級への進学」と「小学校受験での合格」なのです。

小学校受験に合格するのは、通常健常なお友達でも難しい事で、福岡教育大学附属小学校の普通学級への進学の為には、学力のみならず、長時間静かに待って指示を守れる等の合格要件があり、発達障がいを感じさせないほどの成長がみられるとう指針として成果報告させて頂いており、合格を目的とした指導を行っているわけではありません。あくまでも成長にともなって得られた成果として第三者がわかりやすいであろうと思われる尺度として事例報告させて頂いております。

様々なご意見を頂いておりますが、何をおいても、自立出来うる力を有する事を忘れず今後も取り組んで参りたいと考えます。

どうしてよいかわからない時は093-475-0449までご連絡下さい。