NO72.食育の聖地 2高取保育園

食育の聖地 2 高取保育園 命の食育

※高取保育園様で学ばせて頂いた事は余りにも重要かつ多岐に内容も渡っており、私の稚拙な文章力ではなかなかまとめきれず、書きあげては訂正を繰り返しておりました。そこで、記事を数分割してお伝えしやすい内容からお知らせさせて頂きます。

平成26年2月下旬、ついに高取保育園様に施設訪問をさせて頂ける事となりました。当日は、私どもを含め3施設より10名程の先生方が参加され、遠くは横浜から見学にお出でになられておられ、活動の様子を見学させて頂くばかりではなく、子ども達が毎日食している給食の実食させて頂きまして、沢山の質疑応答のお時間を頂いた大変中身の濃い施設見学をさせて頂きました。(※沢山の見学希望の方が全国からお越しになれているようで、毎月見学日を決められて施設見学を実施されておられます。)

高取保育園様は、福岡市早良区にある保育園で、0歳から6歳児まで約200名の子ども達のご指導をされておられます。玄米と味噌汁を中心とした、砂糖、卵、牛乳を使わず、大分からお取り寄せされる無農薬野菜しか使用されぬ独自の給食を30年以上に渡り取り組まれておられます。

毎月行われる料理教室、子ども達が行う味噌作り等、食育に注力され妥協を許さぬ、食育を実践されておられます。その実践の様子を一目見ようと、県内外から多くの教育関係者が視察に訪れる保育園でいらっしゃいます。西福江園長先生が1968年に開設され、玄米和食にこだわった給食を実践され、毎日の給食や食べ物に関わる年中行事を通じて独自の食育を展開されておられます。(※栄養士の方等の集中的な研修も受け入れられておられるようで、当日もお申込みをされておられる園がおられました。)

砂糖を使わぬ調理

お砂糖に関しては、精製過程や、その手法において意見の分かれる事が多く、使用に関しても「○○糖は良い・悪い」と様々な見解がございます。本記事においては、「良い・悪い」という視点にはたたず、結果だけをお知らせする事にさせて頂きたいと思います。

私個人は、家庭においては、一般の白砂糖から、三温糖ついに、黒砂糖を若干使うか否かという食生活をおくっておりました。一度台所の砂糖をこぼしてしまい、私も家内もドタバタして、買い物のいっても忘れて来るという生活がきっかけとなって、「なければ、ないで何とかなるね…」と基本的に砂糖を使わない生活をするようになってしまいました。家内の話では、以前にもまして私が「穏やかになった」とよく言われます。

砂糖のせいか、乳製品をカットされているせいか、保存料等の一切の添加物をとっていないからか、断言は避けますが子どもが落ち着いているのです。静かなのです。利発です。驚きのオンパレードです。

落ち着いているのです。

高取保育園様では、2歳子ども達の運動の様子と、卒園を控えた年長の子ども達の運動の様子を見せて頂いたのですが、双方通例の様子を比べて、静かで落ち着いているというのがまず、初見の印象です。私も幼稚園の園長を暫くしておりましたので、良くわかりますが、大人数でいきなり試技に入るわけですので、ざわつきがあってり、尻込みをしたり、

低年齢ではむずかったりするのは当たり前なのですが、廊下で待っている様子も、演技中も、退出後も、その後の昼食の様子も非常に静かです。無用なざわめきがないのです。

静かな食事風景

200名からの園児がいらっしゃるのですが、1歳前後のクラスから年長クラスまで泣いたり、歩き周ったりしているお友達は一人もみかけませんでした。びっくりして写真をとらせて頂くくらい静かです。何よりきちんと食事をされているのです。

年長のクラスでは、配膳から後片付けも!?

年長のクラスで食事の最初からほぼ終わりまで見学させて頂いたのですが、玄米をつぎ分け、味噌汁や、おかずを全て子ども達が配膳しておられました。そうされているとは伺っていたのですが、目の当たりにするとやはり驚きます。

見学させて頂いたクラスには私が指導した子どもも2名在席しており、当日両名とも進学先の要件で早退するため、他の子ども達よりも早く食事をとっていたのですが、その間も他の子ども達は静かに食事が始まるのをまっておりました。

よく噛む

食事の前に「100回噛みましょう」と子ども達数名で、玄米を口に含んだ後、「1,2,3,4…」とカウントを始め、全員で100回噛んでから本格的に食事がスタートするのですが、他と比べてみても良く噛みます。箸の使い方等も上手で、立ち上がる人もおりません。

後片付け

そして、食事が終わったら自分の食器は自分で洗うのです。実はその前に鍋等も皆がさも当然のように洗っていたのですが、ここまで教育が行き届けばと感心するばかりでした。

『1回するより100回すれば上手になる』

0歳から6歳で卒園するまでに、何度も何度も体験して上手になっている午前中の運動もそうですが、配膳、食事の態度、片付けも繰り返しの効用です。

我慢強く、気力体力が充実している

私が高取保育園様で指導を頂いた子供はいままで3名お預かりしたのですが、3名が3名とも、「高い忍耐力を持っておりました。」我慢できるのです。福岡からみな通っていたので、車でも片道1時間程度、どうかすると高速バスに電車等を乗り継いでこられていたので2時間を超える事もあったのですが、いつも気力に満ちているというのも特徴です。体力的にも風邪をひいたという報告は現在結果的には0で身体能力は抜群に優れています。

子ども達も怒りません。3名とも性格も違うのですが起こりません。その内のお一人は注意欠陥的な要素を感じるお友達だったのですが、見事におさえられていたのです。その後小学校に入っても、お母様が食事に気を付けておられ2週間に1度あいますが、集中力は高いのです。従って頭も良いのです。

運動の際、1名だけ体が少し硬いと思えるお友達がおられたのですが、4ヶ月前に転園して来たお友達だそうで、「まだお菓子を止める事が抜け切れていない為にまだ固いのよ…」と西園長先生からご説明を頂いたのですが、後でその子に「ときどきお菓子を食べるの?」と問いかけた所「ちょっとだけ…」と恥ずかしそうに頷いていたのが非常に印象的でした。

高取保育園様の独自の素晴らしい教育手法の成果でもあると思われますが、何をおいても高取保育園様がおこなっておられる食育に起因しなければ、これほどの素晴らしい結果は導けないのではと実感する衝撃の一日となりました。

私共で指導をさせて頂いているお友達でも、砂糖をお止めになったり、豆乳に変更して頂いた方が数名おられ、衝動行動がおさまったり、多動がなくなったり、暴言がおさまるという事例も出てきておりますが、目にした事だけは事実であり、万が一それで少しでも徳性が抑える事ができるのであれば、ご参考にして頂いてもよろしいかと思います。

次回は味噌に関してお伝えします。