NO75.続ける力と止める勇気

続ける力と止める勇気

止める勇気

30年余り、子ども達と接する中で見えてくることがあります。子ども達との関わりが増えれば増えるほど、問題を解決し、見事希望の進歩や成長等を勝ち取られる方と、そうでない方との大きな違いが見えてきます。

つまり問題定義した時、子ども達への接し方、ご家庭での指導の仕方を積極的に改善される方は進歩を獲得されるのですが、何度お願いしても、一向に改善がみられないご家庭は、望まれる成果はまず得られません。

止める勇気が本当に大切なのです。

私の体験で、例えば「ダイエットしなければ」と考えているのに、

「間食するのは駄目な事は知っていて…」

「良く噛めば良いを知っていて…」

「運動すれば良いのに」

「歩けば良いのに」

「腹八分目が良いのに」

「甘いものを止めれば良いのに」

「油ものを食べなければ良いのに」

「痩せた方が、健康に良いのは知っているのに」

判っていてもやめられないという悲しい現実がそこらじゅうに満ち溢れています。

問題がわかっていても、「明日から頑張ろう」「これを最後に」禁煙や、ギャンブル等に嵌ってしまったり、お酒に溺れていたりするケースとよく似ています。アルコール中毒になった方も、肺がんになった方も、ギャンブルで離婚したり、資産を無くした方も知っております。それでも止められない。何故なのでしょう…

私も婚約するまでは、紅顔の美青年でしたが、婚約披露をしたあたりから、暴飲暴食を重ね始め、体重が増え続けて、とうとう大病しても抜け出せず、最後には「命がけで食べてるんだから文句言わないで…」と開き直った時期もありました。家族も心配した事と思います。また学生の時に、一度太ったのですが、きっちり痩せる事ができたので、「いつでも痩せられる」と妙な自信も邪魔をして誰のいう事も聞きませんでした。

わかっていても「やめられない、とまらない…」ではありませんが、何だかんだ言い訳してダイエット出来ませんでした。婚約時75キロの体重は何と、最高118キロに、半年に1回、背広もシャツも作り直し生死に関わるところまで来ても開き直り生活態度を一向に改善しようとしませんでした。

私の場合は、幸い玄米食と中心とされた西福江先生が実践されている食育との出会いや、家内から薦められた「はなちゃんの味噌汁」等身近な方々の体験から、子ども達に勧める前に自分がしなければと、一歩踏み出す事ができましたが、それでも数年かかってやっと21キロのダイエットに成功したに他なりません。まだまだ太っています。毎月病院に検査に行っておりますが、来月までの目標は95キロ夏が終わるまでに80キロ台を目指すように言われています。おそらくあと1年でようやく元の体重に戻れるかと考えられるようになったのですが、食事制限を始めるのは大変でした。

受験指導も永年関わっており、生活時間から、指導時間、接し方まで細かなご提案をさしあげますが、直ぐに取り掛かる方は、早い改善をされるのですが、何度言っても生活習慣を改めて下さらない方は、最後までもつれこみ、結果的に改善して頂くのですが、入試最後までハラハラする事となります。これは毎年経験する事案であり成績下位層の特徴です。

以前、船井総研様や、他の教育業界、幼稚園の繋がり等で、何度か経営指導をさせて頂いた事もありますが、やはりここでもお願いした事を実践して頂ける組織は立ち直りも早く、現在も隆盛をほこっておられますが、いつまで経っても改善がみられないような組織は破産されたり、解散されたりと継続した活動はどちらもされておられません。

療育支援は特にこの問題が大きく、ともすればお子様の一生を左右する事となります。

夜が遅く、必然的に朝も遅くなり、生活リズムもガタガタであれば、ストレスが軽減される事も無く、いつまでもイライラした生活環境の中におられますので、結果的に同じように取り組まれても望む進歩は得られません。

現在口蓋訓練器具を使用しての言語指導も行っておりますが、毎日使われている方とそうでない方はやはり一目瞭然なのです。結果がついてこないのです。幾らアドバイスしても水泡に帰す感じで、アドバイスしている私も焦燥感に苛まれてしまいます。

保護者へのお願いの中で多いのが、計画的に叱るのと、気分にまかせて怒るのは全く意味が違うので、ご家庭で指導している時には、「出来なくても怒らないで下さい。」とよく申し上げますが、何度お願いしても怒ってばかりで、私達がすっと手を挙げただけで「ビック」とするような場面にも出会う事があります。

わからないのに、怒って出来るようになるのであれば、日本中の先生は、朝から晩まで怒りっぱなしのはずです。わからない事はわかるように支援する事が大切で、出来る所ま戻ってあげる事が指導する者の責務だと考えます。

私は子どもにも、いくら考えてもわからない時は、「わかりません」と告げる事、わかるまで教えてもらうように指導しております。「ん~といくら考えても、出るのはお○らくらいです。」(下品ですいません。)わからない事、出来ない事は悪い事ではないのです。わからない事をわかった振りをする事、出来ない事を隠す事が問題につながるのです。

私達が叱るのは、行動の問題です。立ち上がったり、きちんと座らなかったり、挨拶をしなかったり、人に迷惑をかける行為をしたり、意地悪をしたりした時に促す叱り方です。

因みな話で、怖いのと、厳しいのも違います。何かあると手を出したり、無用に怒鳴り散らすのは誰しも怖い事であると思います。やさしくても、駄目なものは駄目だと諭す事が厳しさで、即時対応しなければならない事もあれば、状況を見計らって叱る事が有効な事例もあるのです。

楽しいのと、騒ぐのは違うとも教えています。楽しいから大声で騒いだり奇声をあげるのは良くないと理解する事が大切で、何度も指導を繰り返すうちに、意味理解が出来るようになれば、必ずその意図を解するようになりるのです。私が指導室に入ると、ぐずっていた子がきちんと椅子に座って他の指導者の指示にしたがうのも、その行為が悪いと知っているから出来る事で、ぐずっていたのは、甘えであったり、指導者の力不足が招いている行動でもあると解釈できます。話が横道にそれましたので、元に戻しましょう。

まず専門家の意見に耳を傾けて下さい。

多くの場合お子様の為を思ってのご提案ばかりのはずです。懇意にしているお医者様がよくいわれるのですが、「重篤な糖尿病で来られても、絶対に直すと心に誓い、提案を実践されるとその後も天寿を全うされるのですが、処方した薬をのまず、酒を飲み、喫煙し、食事制限を無視して合併症が出たり、脳梗塞や大動脈瘤等になって初めて後悔されても手の下しようがなくなる事が殆どで残念でならない…」というお話しを伺います。

重篤な状態になってからでは遅いのです。まずは提案に耳を傾けそしてお子様の為に実践されて下さい。

それから何があっても継続してあげて下さい。禁煙等で、「つい吸ってしまったもういいか」となるのではなく、「よしまた禁煙しよう」と取り組み事が必ずプラスに繋がります。

一度や二度の失敗でくじけないで下さい。

ちょっと躓いてもまた立ち上がる事が大切です。

明日からではなく、今から始める気概をお子様の為に持ってください。そしてそれを出来るだけ長期間維持する事で初めてその提案の真価が見極められます。

皆さまが取り組まれているのは、療育支援です。ちょっとやったから直ぐに結果が出せる物ではそもそもないのです。このブログタイトルを「魔法の療育」としていますが、出せない結果が出せているから「魔法なのです。」だって私達はプロですから…

継続は、スタートより簡単です。立ち止まっても、また進みだす事が出来るのです。そして継続は「弾みが付きます」勢いが出れば、結果が見えてくると止まらなくなります。既報の成功事例でも申し上げておりますが、療育結果が見えてくると俄然頑張る保護者の方がおられるのですが、子どもも楽しいのです。

「継続は力」です。一日でも多く、一日でも早く、一日でも多く取り組んで下さい。

日計カレンダー

最後に、私はトイレに私専用のカレンダーを張っており、今月の大目標、体重の目標、仕事の目標、家庭の目標等6項目を書き出し、そしてジュースを飲まない記録、玄米食継続記録とか、○○しない記録を付けています。今日で何日目と毎日トイレでニコニコしながら書き込んでいます。

「今日で何日出来た。」「あと何日で解禁」と付けるのが楽しくてなりません。どうか試してみて下さい。何語話したかを記録するのも良いでしょう。家庭での支援時間を累積していかれるのも良いと思います。

私の残り時下は療育支援に関しては残り1万時間と以前表記した事があります。時間は無尽蔵ではないのです。睡眠時間、家族との時間、趣味の時間、お子様との時間果たしてどれ程かけられるか、いつまで時間をかける事が出来るのか、それまでに何を獲得しなければならないのか良く考えて下さい。

私の友人に、知的障がいのある息子さんがおられ、「死ぬときには、この子も一緒に連れて行く。」と言われ、返す言葉が見つからなかった事があります。少しでも改善の希望が持てるのであれば、一歩前に歩き出して下さい。辛くて立ち止まっても、また積み重ねて下さい。障がいを乗越える力を少しでも与えてあげて下さい。それが本当に出来るのは保護者だけなのです。

どうしようかと立ち止まってしまったら093-475-0449までお電話下さい。