NO44.日々の取組みの違い その3
日々の取組みの違い その3
施設によって、療育支援において、何等かの訓練をする場合、ご家庭での取組み方の指導があったり、全くなかったり、課題(宿題)があったり、全くなかったりという違いもあります。
私共では、獲得した進歩の度合いに従って、課題をお願いするようになりますし、毎回どのように家庭で支援するかの説明を必ず行っておりますが、全く何もされないような施設も少なくありませんので、その点もお子様の状態に合わせ、療育支援をお願いする施設に対して大切な検討すべきポイントとなります。(これは、訓練が主体の施設での問題で、レスパイトや見守り主体の支援は除外した考え方です。)
心因的要因から出来るだけプレッシャーをかけない方が良いという考え方もありますし、課題の難易度が高すぎて、専門的な支援がなければ実施出来ないという事も考えられます。対応する保護者の方の心因的な要件で何もして頂かない方が良いケースもありますが、訓練が主体の施設であれは、それはあくまでも各ご家庭とご本人の抱える要因によるものでなければならないと考えております。
学校の勉強でも復習(課題訓練)は不可欠であるとご存じの事と思うのですが、何故療育では復習(課題訓練)を行わないのか私は不思議でなりません。ピアノでも書道でも、珠算でも、家でしっかりと練習している君は、めきめき伸びて行きますが、ろくに家で取り組みもしない場合は、一部の天才を除いてまず上達する事はありません。これは多くの人が体験的に知り得ている事実の一つであると思います。
私は平泳ぎで、金メダルをとられたオリンピック選手の毎日の練習風景を身近で見聞きする機会があったのですが、才能というよりも、毎日毎日365日血の出るような練習をして獲得した金メダルであると断言致します。
教え子で、柔道で全国制覇2連覇した選手も小さい時から知っていますが、想像を絶するような毎日の練習の積み重ねから獲得したタイトルです。バレリーナをめざしていたお友達は、通例では考えられないような遠方まで毎日レッスンに通って今のポジションを得ています。
みなさんの身近でも沢山よい事例があると思いますが、野球やサッカー、柔道、ピアノやバイオリン、書道等で評価をうけるお友達はみな毎日の取り組みがあってこその成果です。勉強で素晴らしい成果を出している者は天才を除いて、みな努力の人で予習復習は当たり前です。では何故、発達障がいの療育指導ではそれらがないのでしょうか?
大怪我をして3ヶ月入院し、1年近くリハビリをした事がありますが、退院してからは、毎日どれだけ歩行訓練をした事でしょうか?来る日も来る日も取り組んだ結果今では普通に生活をする事が出来るようになったのです。
骨折や、腰痛、肩こりの治療であれば、改善する体操等を作業療法の先生が、詳しく家庭での取組み方をご指導下さるのはごく普通にある事だと思いますが、何故療育支援ではそれが欠けているのでしょうか?不思議に思われませんか?
結果の先送りなのでしょうか、もう進歩は無理と諦めていらっしゃるのでしょうか、学校や、塾等で適切な宿題がないと熱心な保護者から直ぐに問題となるのに、発達障がいの支援では何故その点が希薄なのでしょうか?しっかりと指導しておられる先生であれば、適切な家庭での取り組みについての指導があるはずだと思います。
発達障がいの療育支援は特別なのでしょうか?否これほど取り組み方が大切な支援はないのです。家庭での支援方法等、適切な指導があるのとないのでは、獲得する進歩や成長に大きな違いが出る事は論破出来ない真実であると確信しております。まして、家庭での取り組み方接し方の説明がないなどは職務怠慢か進歩させる技術がないのかの何れかであると断言してしまいそうになりますが、読者の方は如何思われますか????
毎日の取組みで進歩する子ども達に何も与えないのは残念な限りであると言わざるを得ません。
その4に続く