NO45.毎日の取組みの差 その4

毎日の取組みの差 その4

連日通所しているからさぞやしっかりと支援して頂けているだろうと思い込むのは全くの早計であるとご理解下さい。毎日通っているから大丈夫等と考えるのは大間違いです。冷静に学生時代を思い出して下さい。

学校に毎日通うからといって、みんな良い子(秀才・高得点者)になりますか?毎日通っているから、もう大丈夫と考えるのは大きな誤解です。何故そう思い込むのか私には不思議でなりません。何の根拠があってそう思うのか、何を見ているのでしょう?何を求めているのかもう一度よく考えて下さい。

バスケットボール大好き少年を例に例えますと、バスケ部に入って毎日練習、毎日練習していたA君とB君

C君は、毎日3人とも同じように一生懸命に練習したおかげで、3カ月もすると同年代のお友達と比べてずっと上手になる事ができました。そこで満足したA君は毎日の部活動に励みました。

才能的に劣っていたB君ですが、部活が終わった後も、自宅に帰って1人で走り込みをし、近くの公園で夜もそして早朝も毎日懸命に練習をし続けました。結果半年もするとB君とC君はA君に追いつき、1年経ったときには、B君とC君は部活動の誰よりも上手くなり、2年後には地域1番と言われるようになりました。毎日やれば、しないより上達しますが、やはり課題を毎日コツコツと積み上げたお友達の方が圧倒的な力を育む事が出来るという課題の効果を示す好例です。

父親の転勤で、別な学校に通う事になったC君は、地域でもバスケットで有名な学校へ入る事ができました。

素晴らしい監督とコーチのもとで、懸命に努力したC君は、その才能をさらに開花させ、結果3年後には推薦で大学へ特待生入学する事ができました。C君の事例は素晴らしい先生に師事したかの違いを示すもので、施設による取組み方の精度の違いにより大きくその後の成果が変わるという事例にほかなりません。

通所出来る事で満足してはいけません。一緒に通所されているお友達が、どのように進歩成長しているのかを冷静に見極めて下さい。どこまで引っ張って頂けるのか、詳しく先生からお話しをお伺いして頂く事が大切です。今までにどのような成果を上げておられるかも大切な要因であるとご理解頂きたいと思います。施設の選択は、過大な希望的観測だけで決める事ではありません。論理的な冷静な判断と懸命な取組みがお子様の療育には必要不可欠であるとご理解頂きたいと思います。

「横断歩道、皆で渡れば怖くない」私達は、ついつい人に流されてしまいがちですが、このような大切な決断を人任せにしては、お子様の療育支援に限っては絶対に駄目なのです。多くの場合沢山のお友達の療育支援をされてきておられる施設の場合、お子様と同じような子ども達が、通所を開始してからどのように進歩されていくか、沢山の成功事例を持っておられますのでよくそれをお伺いして下さい。そしてその為にどんな支援を行っているのか、どのように家庭で取り組めばよいのか、どのように子ども達の進歩と成長を促されているのか詳細にお伺いされた上で決定されるのが、一番よい方法だと思います。

一般的においしいお店や、人気店、進学率の高い学校や、合格率の高い予備校や学習塾等実力が高ければ、高い程、人が集まるという法則がありますが、療育に関しては、その法則はあてはまらないとご理解頂きたいと思います。成り立ちが違いすぎるのです。どのような成果をあげておられるのかしっかりと把握して下さい。

そして全てを把握した上でベストチョイスをされる事です。

保護者の方が希望される将来のお子様の姿を、その施設で見出す事ができるのかが大切なポイントになるのではないかと、沢山のご相談を頂く中で見出した現在の私の見解です。3歳までの方は、そこの年少の子ども達の様子をしっかり観察して下さい。何が出来ているのか、何を獲得されているのか、どのように進歩しているのか施設見学の際によくお伺いされる事が大切です。年少のお子様であれば、年中の子ども達のご様子を見ればある程度将来の姿が見えてきます。年中のお子様であれば、年長の子ども達の様子が参考になります。その施設にどれだけ通所されているのか、その結果がそこにあるのです。

何を目指しているのか、どのような進歩と成長を願っているか再度熟考して下さい。

その5につづく